天璋院(篤姫)とは何をした人物か—島津斉彬の養女から十三代将軍家定の御台所へ。江戸城を去るまで徳川家を守った女性

雪の庭を見つめる江戸城大奥の天璋院(イメージ)

2027年NHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』(2027年1月10日放送開始/主演・松坂桃李)は、幕末の幕臣・小栗忠順が主人公です。▶ 大河『逆賊の幕臣』特集に、関連記事とキャスト一覧をまとめています。

天璋院(篤姫)の肖像写真
天璋院(篤姫)の肖像写真。出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

天璋院(てんしょういん)は、薩摩藩の分家に生まれ、藩主・島津斉彬の養女となって、十三代将軍・徳川家定の正室(御台所)となった女性です。篤姫(あつひめ)の名で広く知られています。結婚から二年足らずで家定に先立たれ、出家して天璋院と名乗りました。

戊辰戦争では、実家である薩摩藩の西郷隆盛らに徳川家の存続を願う手紙を送り、江戸を去るまで徳川家の人として生きました。大河ドラマ『逆賊の幕臣』では、夫の家定をふかわりょうさん、養父の島津斉彬を西岡德馬さんが演じます。

天璋院の大河『逆賊の幕臣』での配役は、2026年10月24日の時点ではまだ発表されていません。発表があり次第、この記事に追記します。

目次

天璋院とは?—先に答え

読み方てんしょういん(篤姫〈あつひめ〉。実名は一〈かつ〉、のち敬子〈すみこ〉)
生没天保六年十二月十九日(1836年2月5日)〜明治十六年(1883年)十一月二十日
生まれ薩摩藩の一門・今和泉島津家の当主、島津忠剛の娘
何をした人島津斉彬の養女、近衛忠煕の養女を経て、十三代将軍・徳川家定の正室となりました。家定の死後は大奥を取りしきり、戊辰戦争では徳川家の存続を嘆願しました
小栗との接点直接の接点は知られていません。小栗が仕えた将軍家定の御台所で、小栗と同じく最後まで徳川家の側に立った人です
明治以降徳川家を継いだ徳川家達を養育し、明治十六年に東京で亡くなりました

今和泉島津家の姫から将軍の御台所へ

天璋院は、薩摩藩の一門・今和泉島津家の当主、島津忠剛の娘として鹿児島で生まれました。嘉永六年(1853年)、藩主・島津斉彬の養女となり、篤姫と名を改めます。

斉彬は、篤姫を十三代将軍・徳川家定の正室に送り込もうとしていました。篤姫はさらに公家の近衛忠煕の養女となって身分を整え、安政三年(1856年)、江戸城に入って家定と結婚しました。斉彬には、篤姫を通じて将軍の跡継ぎに一橋慶喜を推す狙いがあったともいわれます。斉彬については西岡德馬さんが演じる島津斉彬とは何をした人物か—集成館で薩摩を近代化した名君。小栗忠順の横須賀製鉄所に十四年先がけた「富国強兵」をご覧ください。

家定の死と天璋院

家定は病弱で、結婚から一年半余りの安政五年(1858年)七月に亡くなりました。同じ月には養父の斉彬も急死しています。篤姫は二十代前半で出家し、天璋院と名乗りました。家定についてはふかわりょうさんが演じる徳川家定とは何をした人物かをご覧ください。

跡継ぎには、斉彬が推した一橋慶喜ではなく、紀州の慶福が十四代将軍・家茂として立ちました。天璋院は家茂の養母として大奥を取りしきる立場になります。

和宮との嫁姑

文久二年(1862年)、公武合体のため、孝明天皇の妹・和宮が家茂の正室として江戸城に入りました。武家の作法で暮らす大奥と、御所の作法を守ろうとする和宮側との間には摩擦が生まれ、天璋院と和宮の関係も初めはぎくしゃくしていたといわれます。

しかし慶応二年(1866年)に家茂が亡くなり、徳川家が存亡の危機を迎えると、二人は協力して徳川家を守る道を探るようになりました。和宮については和宮とは何をした人物か—婚約者と別れ、公武合体のため十四代将軍家茂に嫁いだ皇女。徳川家を救う嘆願と増上寺の墓をご覧ください。

戊辰戦争—実家の薩摩に宛てた嘆願

慶応四年(1868年)、鳥羽伏見の戦いののち、新政府軍が江戸に迫ります。その中心にいたのは、天璋院の実家である薩摩藩でした。天璋院は西郷隆盛ら薩摩の側に手紙を送り、徳川家の存続と慶喜の助命を願いました。和宮もまた、朝廷の側に嘆願を重ねています。

江戸城は四月に新政府軍に明け渡され、天璋院も城を出ました。薩摩から帰国を勧められても応じず、徳川家の人として東京に残ったと伝わります。

天璋院が江戸城を去ったのと同じ慶応四年閏四月、勘定奉行を務めた小栗忠順は上州権田村で斬られました。徳川家に仕え抜いた人々は、それぞれの場所で幕府の終わりを迎えたことになります。

明治の天璋院

明治になると、天璋院は徳川宗家を継いだ幼い徳川家達(田安亀之助)の養育に力を注ぎました。生活は質素で、旧幕臣の暮らしにも心を配ったといわれます。明治十六年(1883年)、東京で亡くなりました。墓は上野の寛永寺にあり、夫・家定の墓と並んでいます。

大河『逆賊の幕臣』と天璋院

夫の家定、養父の斉彬がすでに発表されていることから、天璋院が登場する可能性は高いと考えられます。ただし、これは推測です。2026年10月24日の時点で配役は発表されていません。

天璋院のゆかりの地

小栗忠順のゆかりの地をめぐる

小栗のゆかりの地は、東京・横須賀・埼玉・群馬に集まっています。姉妹サイト「日本の歴史旅ガイド」で、都内から回るモデルコースを紹介しています。

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参考資料

寺尾美保『天璋院篤姫』(高城書房)、徳川記念財団『天璋院篤姫展』図録、鹿児島県歴史・美術センター黎明館の展示解説、コトバンク「天璋院」。

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