幕末の連発銃といえば、7連発のスペンサー銃が有名です。しかし、同じ時代のアメリカには、それと肩を並べるもう一つの連発銃がありました。「ヘンリー銃」です。銃身の下に長い弾倉を備え、十数発もの弾を連続して撃てたこの銃は、のちの名銃ウィンチェスターへとつながっていきます。スペンサー銃と競い合った、もう一つの連発銃の物語を見ていきましょう。

ヘンリー銃とは——レバー操作で撃つ多弾数の連発銃
ヘンリー銃は、アメリカで開発されたレバーアクション式の連発ライフルです。引き金の下のレバーを前後に動かすことで、排莢と次弾の装填を行い、続けざまに撃つことができました。この点はスペンサー銃と同じですが、ヘンリー銃の特徴は、銃身の下に取り付けられた細長いチューブ弾倉にあります。ここに金属薬莢の弾を十数発も収めることができ、連発銃としての持続力は際立っていました。
スペンサー銃との違い
同じレバーアクションの連発銃でも、ヘンリー銃とスペンサー銃にはいくつかの違いがありました。スペンサー銃は銃床(肩に当てる部分)の中に7発を収める方式でしたが、ヘンリー銃は銃身の下の弾倉により多くの弾を装填できました。一度に撃てる弾数の多さは、ヘンリー銃の大きな強みでした。一方で、構造上の弱点や装填方法の違いなど、それぞれに一長一短があり、両者は連発銃という新しい分野で競い合ったのです。この競争が、銃の性能をさらに押し上げていきました。
ヘンリー銃 スペック(性能一覧)
| 種別 | 連発式ライフル(レバーアクション) |
|---|---|
| 装弾数 | 十数発(銃身下のチューブ弾倉) |
| 装填方式 | 元込め(後装式) |
| 弾薬 | 金属製薬莢(リムファイア式) |
| 製造国 | アメリカ |
| 位置づけ | のちのウィンチェスター銃の原型 |
幕末での位置づけ
ヘンリー銃が幕末の日本で使われた数は、スペンサー銃ほど多くはなかったとされます。それでも、連発銃という最先端の潮流を代表する一挺として、この時代を語るうえで見逃せません。ヘンリー銃の設計は改良を重ねられ、やがて世界的な名銃ウィンチェスターへと発展していきます。幕末の日本に、こうした連発銃の最新技術がリアルタイムで流れ込んでいたこと自体が、驚くべきことでした。連発銃の代表格であるスペンサー銃とあわせて読むと、連発銃時代の到来がより鮮明に見えてきます。
まとめ
ヘンリー銃は、アメリカ製のレバーアクション連発ライフルで、銃身下のチューブ弾倉に十数発を装填できる多弾数が特徴でした。7連発のスペンサー銃と競い合いながら連発銃の時代を築き、のちの名銃ウィンチェスターへとつながっていきます。幕末に流れ込んだ最先端兵器の一つとして、その存在を知っておきたい銃です。ほかの火器は銃器の一覧もご覧ください。

